模倣・再現しやすい音楽は広まる性質があるというお話。音楽の性質としての「簡易模倣性」について。

「再現しやすい音楽は広まる傾向がある」という自分用のメモです。
内容的には「まぁそうだよね」という程度の話ではありますが、日頃から思っていることのメモです。コラムとしてもどうぞ。

・音楽の性質としての「簡易模倣性」
・簡単に再現できるということがなぜ重要か

・まとめ

・音楽の性質としての「簡易模倣性」
音楽には芸術性、ファッション性、所属性など様々な要素がありますが、その一つに「簡単に模倣(再現)できるか」というポイントがあります。簡易模倣性とでも呼びましょうか。

バンドをしたことのある人ならよく分かると思いますが、コピーするバンドとして部活やサークル内で知れ渡って定番となっているのは、「格好良いし簡単に模倣(再現)できるバンド」です。

例えば僕らの世代で言うと”Hi-STANDARD”や”ゆず”がまさにそれです。
簡易に模倣できる割には、彼らのような音楽を格好良く鳴らすことが出来て、高揚感を得ることが出来る。

ここで「自分は彼らの音楽を弾ける」というふうに「自分」と「アーティスト」が強く関連付けされることにより、その音楽やアーティスト自体を「自分のもの」としてより身近に捉えるようになります。

・簡単に再現できるということがなぜ重要か

人は「それが自分に関係しているか/繋がっているかどうか」ということに大きな関心を持ちます。
簡単に模倣・再現できるということは、多くの人がその音楽を「自分のもの」として捉えやすいということです。
よって、幅広く受け入れられる・支持されるということに繋がるので、とても重要な要素になります。

これはピアノの世界でも同じです。有名な作曲家は簡易に模倣できる曲を持っています。

特に、モーツァルトは彼自身が手が大きくなかったこともあり、比較的小さな手で弾くことが出来るので、女性などあまり手の大きくない人々なども含めて、すべての人が弾きやすいです。

ショパンやベートーヴェン、ドビュッシーの音楽も、難易度は高くなりますが、ピアノを習ってきた人ならある一定のレベルで誰でも高度な音楽を奏でることが出来る曲が多いと言えます。

逆に、ラフマニノフなどは、難易度が非常に高い上に、そもそも弾くための手の大きさがそれなりに必要なので、人を選びます。模倣性・再現性はやや低いと言えます。

ラフマニノフの知名度はモーツァルトやショパンにはかないません。
その理由の1つに簡易模倣性の低さがあると思うのです。

ただ、ラフマニノフの作品が優れていることは確かなので、安易に「簡単な曲が良い」という話ではありません。芸術性が高いとちゃんと評価されるということは忘れてはいけないと思います。

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・まとめ
簡易模倣性が高い音楽は広まります。
音楽の要素の一つとして「簡易模倣性」があるということを頭の片隅に置いておくと、作曲をする上でも役立つと思います。

J-POPでキャッチーなメロディが好まれるのも、覚えやすく簡易模倣性が優れているからでしょう。

「PPAP」があれほど広がったのも、BGM無しで再現することが可能だった、各自がアレンジを加えて楽しめる曲だった、ということがあると思います。

以上、「再現しやすい音楽は広まる傾向がある」という自分用の思考メモでした。