SONY MDR-7506の簡易レビュー。高音域が耳に刺さるヘッドホン。低音もしっかり出る。

ヘッドフォンサブスクリプションサービスのONZOから借りたSONY MDR-7506を試してみました。
自分の記憶からも忘れないようにMDR-7506のレビューです。

前提条件として、SONYのMDR-1Aを基準に考えているとご理解下さい。

レンタル直後のツイート。

改めてまた聴いてみていますが、やはり高音が強いです。やや痛い。

(リファレンスはOfficial髭男dismの「Pretender」のハイレゾ96kHz/24bit版などを試聴)

そう、この「高音が痛い」のがこのヘッドホンの最大の特徴だと思います。

音域としては『低音、そして高音』がハッキリ出ます。

特に高音が出すぎています。中音域もしっかり綺麗に出ているのですが、
高音の耳につんざくような痛さのほうが勝(まさ)っているので、音楽を聴くだけの用途だとあまり心地よくはないかな、という印象。

9,000Hz~13,000Hzあたりの耳につく高音が特に強調されている感じです。

このあたりの音はMDR-1Aでは砂の粒のように割とシャリっという感覚で音が聴こえるのですが、MDR-7506ではトゲのようにグサっと耳に刺さる音として聴こえる感じです。これが好きかどうか。

この帯域を精密にコントロールしたいエンジニア等には向いていると思います。
完全なモニターヘッドホンですね。

すべての音域はかなり正確に見渡せる感じがします。
正直、高音のチューニングだけもう少しマイルドだったらと思いました。

ただ、全体の完成度としてかなり良いものだというのが正直な印象。

特にこの「低音域と高音がきちんと聴こえる」という特性、キャラクターがハッキリしているので、他のヘッドホンと共存できます。

これは欲しくなりました。
サウンドハウスでは税込10,428円(2020年7月)という値段も丁度いいです。

 

低音は包み込むタイプの低音ではなく、音の輪郭がクッキリとしているタイプの低音です。
長く聴いていると疲れてしまうかもしれません。
「ドンドン!」という音が頭に当たるように響いて、少し疲れるタイプの低音です。

リスニング用のイヤフォンではありません。

厳しく音を追い込んだり、録音でモニターしなければいけない用途には向いているように思います。密閉性も高いです。

繰り返しますが、中音域は、低音や高音に比べると控えめですが、しっかり出ているように感じます。
ピアノなどを弾くとそれが分かります。とてもクリアな音を出すヘッドホンです。

そのかわり、音が耳にへばりつくといいますか、とても近い印象があります。

音の圧(あつ)が耳に感じられるので、低音や高音がずっと耳の近くで鳴っているイメージです。
ドンドン、シャリシャリ、という音が耳の鼓膜のすぐ近くで揺れています。

よって、心地いいかと言われると、心地よくはありません。
ただ、本当に音に迷ったときに頼りになりそうなヘッドホンです。

ざっくりですが、そんな印象を持ちました。

着けた感触は、耳全体をしっかりおおってくれて、つけ心地は悪くないです。
コンパクトで軽いですね。
ただ、音を鳴らすドライバーユニットが耳に近いので、音が近いです。

イヤーパッドの側圧がやや強く感じますが、最初だけでしょう。

このヘッドホンで曲を作るとすると、おそらく高音を削る作業に入ると思うので、
やや高音成分の抜けたような印象の楽曲が出来るかもしれません。

低音に関しては、音の「量」はハッキリ分かりますが悪く言うと「質」がどれも似たように聴こえるので、現代的な低音の音作りには向いていないかもしれません。

また、気になったのは、倍音を多く含む女性ボーカルの声が、
やや抑制されるような印象を受けました。

女性ボーカルの中高音域より少し上の高音が強調されるせいでしょうか。

つまり女性ボーカルの倍音はあまり楽しめないということです。
美しい倍音が、耳に刺さる高音に変わる傾向があります。

※一ヶ月も使っていませんので、あくまでその程度の期間のレビューだということで参考程度にしていただけると幸いです。