「パリピ」の語源はm-floの「come again」だ。
「come again」は、2001年1月17日発売、日本の音楽ユニットm-floの12枚目のシングルだ。
もう約15年前の曲(!)だが色褪せることなく、m-floの代表曲のひとつとなっている。
m-floの音楽は多彩だ。
トラックメイキングを☆Takuが手がけており、クラブミュージックが基本となっている。
また、ヒップホップ、レゲエ、R&Bなどの要素も取り込んでいる。
宇多田ヒカルの8枚目のシングル「FINAL DISTANCE」の3曲目のリミックスはm-floのトラックメーカーである☆Takuが担当している。
宇多田ヒカルの声を切り貼りしてトラックを作成しており、クラブの要素を感じさせる。
(非常に美しいリミックスなので手に入れることをおすすめする。)
印象に残っている☆Takuの音楽観がある。
この業界に飛び込んだとき、音楽は「仕事」だった。
スタッフ)『今は音楽は?』
Taku)『遊び。
これは遊びなんだ、って。
死ぬ気でやる遊びだ。
「仕事」にしちゃ絶対いけないな、って思った。』
スタッフ)『仕事じゃないんだ?』
Taku)『うん、仕事じゃない。』
引用:情熱大陸
最初この言葉を聴いたときは意味が全く分からなかったが、今はなんとなくだが分かる気がする。
音楽は、作り手にこそ、遊び心がないといけないのだ。
「仕事」にしてしまった時点で、音楽との距離はきっと遠くなる。
話がそれたが、m-floの「come again」は衝撃的なシングルだった。
2ステップのダンス・ミュージック自体が当時珍しかったこともあり、非常に洗練された大人のお洒落さを感じた。
一方、ラップに関しては「若干ダサい」というのが当時からの評価だったと思う。
メイントラック(LISAが歌っている部分)が洗練されている分、非常に惜しく思えてしまうのだ。
しかし、今となってはあれ以外のラップも考えられないような気もする。
一方、LISAの部分の歌詞は、当時から一歩先をいくものだった。
こんなに待ってても君にdissされるし
つまらない関係ならば why don’t you let me go
引用元:m-flo “come again”
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=65967
当時、「dissされるし」の意味を探した。
が、分からなかった。
今となっては、「ディスる」という言葉が一般的になり、「人を見下す(こき下ろす)」
という意味の”diss”が、和製英語として普通に使われるようになった。
おそらく最初にこの言葉を大衆に広めたのはm-floだろう。
“diss”を広めたのもm-floのcome againが起源だと言っていいと思う。
本題に入ろう。
「パリピ」が使われているのは先ほどのラップの中である。
以下を参照して頂きたい。
VERBALがラップの部分で
「Party people」と叫んでいるのがお分かり頂けただろうか。
おくれんなよ get down get down
to the floor, party people
引用元:m-flo “come again”
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=65967
当時からクラブではしゃぐような(お祭り騒ぎの)人々のことを「Party people」と俗語で言うような文化があったのだろう。
それが現代まで脈々と、
…おそらくm-floのこのヒット曲が15年も人気を維持していることから引き継がれ、
「(クラブ)音楽で楽しく騒いでいる人々」
「パーティー騒ぎが好きな人々」
が一転して、
・「楽しそうなリア充」
・「なにか楽しそうにはしゃいで集まっている人」
・「パーティーを開いて楽しむ人々」
などが一般でも
「パーリーピーポー」略してパリピ、と呼ばれるようになったのだと思う。略したのは誰だ。
「come again」のラップの部分も、人々は聴き逃していなかったのだ。
いやいや違うでしょ。違う説があるよ!という方、教えてください…。
それにしても、本当に良い曲です。
シングルに入ってるボーナストラックもかなりクールなので、一枚持つことをおススメしときます。
※リンクはAmazon.co.jpアソシエイトを利用しています
追記(2018年1月7日)
なんと、☆Takuさんご本人からリアクションを頂きました…!驚きです…!
いきなりこのブログのPVが上がったのでおかしいな、と思って調べたところ、☆Takuさんご本人にTwitterのツイート経由でこちらのブログを見て頂けたようです。
そして、心境を頂くことが出来ました。
キッカケになったツイートはコチラです。
☆Takuさん(@takudj )の質問箱で見かけて初めて知った事やってんけど、これはホントすごいおもた!※Takuさんは「多分」と、ちゃんと多分を付けてます。
パリピとは何か。「パーリーピーポー」「ディスる」の語源はm-floの大ヒット曲、”come again”が発祥だというお話。https://t.co/qjFTcy3jQc
— むらやん?村上直樹 (@cadillac600) 2018年1月6日
ご本人のツイートがコチラです。
えー!実はパリピって言葉チャらくて苦手なんですけど(笑)。しかもバーバルは素人には難しすぎて掲示板とかでは人気無かったけど、玄人にはめちゃくちゃ受けてた、と、書いた人につけくわえさせてください?
— ☆Taku Takahashi (@takudj) 2018年1月6日
あ!そういうの大好きです!僕のツイートはクリエイティブコモンズなんで、がんがん使ってくれると嬉しいです。好きに使ってください!
— ☆Taku Takahashi (@takudj) 2018年1月7日
あと、バーバルの部分は僕なりに反論しましたが、ナイスな着眼点で面白い記事でした。ちなみに「パリピ」って言葉のきっかけに、もしなってたのは嬉しいんですが、チャラい感じで広がってるのは微妙です?。あと、僕らが元なのかは、僕らも保証できません(笑)
— ☆Taku Takahashi (@takudj) 2018年1月7日
ご本人は『パリピ』という言葉がチャラいニュアンスで使用されていることは苦手だということです。貴重な情報を頂くことが出来ました。本当にどうもありがとうございます!
言葉というのは、様々な人がバトンのように文化を繋いでいった結果だと言うことも出来るかもしれませんね。
ということで、VERBALさんのラップの部分については、玄人にはめちゃくちゃ受けていた、ということを改めて付け加えさせて頂きます。大変失礼致しました。
いやはや、まさかのご本人登場とは凄い限りです。
インターネットって本当に、何が起こるか分かりませんね。
m-flo20周年。そして初代ボーカルLISAの復帰
2016年12月24日のVARBALの事故の代役で、m-floのイベントに急遽LISAが出演した。
そしてそれをキッカケに、LISAが復帰することとなる。
年明けにVERBALのお見舞いに行った☆Takuは「LISAと3人でm-floまたやらないか?」と提案。VERBALも快諾し、一気にオリジナルメンバーでの活動再開が決まった。
引用元:ORICON NEWS 2017-12-15
https://www.oricon.co.jp/news/2102358/full/
オリジナル・メンバーの初代ボーカルのLISAの復帰が2017年12月15日に正式に報じられ、2017年の12月31日の大みそか復活ステージから復帰することとなった。
2018年は、m-floが20周年を迎える年になる。今後のますますの活躍に期待したい。
m-flo 公式ホームページ
https://m-flo.com/
参考URL
『人気DJ、VERBAL 死の淵から生還して学んだこと』: NIKKEI STYLE(2017年9月15日) https://style.nikkei.com/article/DGXMZO21027490S7A910C1000000
『m-flo、15年ぶりに初代ボーカルLISA復帰 大みそかにUSJで復活ステージ』
: ORICON NEWS(2017年12月15日)
https://www.oricon.co.jp/news/2102358/full/
m-flo、20周年の幕開けにオリジナルメンバーのLISAが復帰 | OKMusic https://okmusic.jp/news/236375
1つ、どうしても知りたかったことを質問箱でご回答いただきました。
本当にどうもありがとうございます…!
メイン。メインオクターブ下(リサの得意技)、上ハモ、下ハモ全部2つづつ、だったと思います。 #質問箱 #peing_takudj https://t.co/qHO0wnxPT2 pic.twitter.com/UhBsCnZC3n
— ☆Taku (@takudj) January 7, 2018